事業主が障害者雇用率を算定するに際には、厚生労働大臣から認定を受けると様々な特例制度を活用することができます。
- 特例子会社
- 企業グループ算定
- 事業協同組合等算定特例
今回は特例子会社についてご案内します。
特例子会社とは?
事業主が障害者の雇用に特別に配慮した子会社を設立し、一定の要件を満たす場合には、
特例としてその子会社に雇用されているものとみなして厚生労働大臣の認定を受けた会社のことを言います。 特例子会社として認定された場合は、その子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなし、実雇用率を計算できることができます。
特例子会社の認定要件
(1) 親会社の要件
①特例子会社の法人格は「株式会社」であること。(新設でも既存でも可)
②親会社が、当該子会社の意思決定機関(株主総会等)を支配していること。
(具体的には、子会社の議決権の過半数を所有する場合(持株基準)等であり、
議決権の50%以下である場合は、その他の要件あり。
(2) 子会社の要件
① 親会社との人的関係が緊密であること。
(具体的には、親会社からの役員派遣、出向等人的交流が密であること)
② 雇用される障害者が5人以上で、全従業員に占める割合が20%以上であること。
また、雇用される障害者に占める重度身体障害者、知的障害者及び精神障害者の割合
が30%以上であること。
※上記算定は、重度障害者のダブルカウントは行いません。
短時間労働者については重度・重度以外を問わず、1人をもって0.5カウントとなります。
③ 障害者の雇用管理を適正に行うに足りる能力を有していること。
(具体的には、障害者のための施設の改善、専任の指導員の配置等を行っていること)
④ その他障害者の雇用の促進及び安定が確実に達成されると認められること。
特例子会社設立に必要な書類は?
①法人の確認
・定款と登記簿謄本
② 親事業主と特例子会社との特殊の関係
・「親事業主の直近の有価証券報告書(写)又は付属明細書(写)」
・「子会社の株主名簿(写)又は出資個数名簿」
③親会社と特例子会社との人的関係
・「親会社から派遣されている子会社の役員名簿」
・「子会社の社員名簿」
氏名、年齢所属、役職、入社年月日(親会社からの主な略歴含む)
④特例子会社における障害者雇用の状況
・「子会社の障害者雇入れ通知書の写し」 個人毎に雇入れ条件がわかるもの
⑤特例子会社における障害者の雇用管理の状況
・障害者の職業生活に関する指導員の配置状況
・障害者職業生活相談員※の選任届等
⑥障害者の雇用促進及び安定
直近の6月1日における親事業主の障害者雇用状況報告書
申請日現在における親事業主の障害者雇用状況報告書
親事業主から子会社への雇用促進及び経営安定のために講じている措置等がわかる資料等
①~⑥以外に必要となる場合がある書類
子会社の図面、案内図、勤務風景の写真等
※障害者職業生活相談員とは?
5人以上の障害者を雇用する事業所において、障害者職業生活相談員を選任しなければなりません。
障害者の職場適応の向上を図り、能力が最大限に発揮させられるよう障害者の特性に配慮した雇用管理を期することを目的としています。
障害者職業生活相談員になる為の要件
https://www.jeed.or.jp/disability/employer/om5ru800000004c6-att/q2k4vk000002pasg.pdf
出典:図表 厚生労働省「特例子会社」制度の概要
参考:特例子会社等の申請をお考えの事業主の皆様へ 埼玉労働局職業安定部職業対策課